MAGICA・キャラクターによるゲーム紹介
システム編@
2010.7.3



(木造の小屋の中。簡素な机がひとつと、丸椅子いくつかが部屋の中央にある。)


(丸椅子に、ふたりの女の子と、ひとりの男の子が座っている。)


(真ん中に座っている、ややくせがかった髪を後ろでまとめた女の子が、唐突に口を開いた。)





「はじめまして!」

「はじめましてー!」

「はい、はじめまして」

「…っと、いうわけでして。
 今回、このRPGツクールDS小企画の締めとして!
 ゲームの概要を、ゲームの登場人物である私たちが紹介させていただきます!」

「まとめて書くとすごく長くなっちゃうので
 『システム編』『戦闘編』『舞台編』と
 3つの項目に分けて、解説をおこないたいと思います!」



「解説役は、題材として作られたゲーム『MAGICA』の
 主人公こと、私『ミル』と…」

「補佐役として、ヒロイン候補こと私、『リリィ』と!」

「…つきそいの、『アーウィン』です。
 この3人で、お送りさせていただきます。
 お付き合いを、よろしくお願いします」



「まず最初は、『システム編』からだね」

「ぱちぱちぱち」

「ここではさ、私たちの目的とか、拠点とする町でできることとか…。
 そういった、システムまわりのことを話していこうと思うんだ」

「ぱちぱちぱち…こんな感じで、いいのかな?」

「いいよー」

「はい、拍手どうも。それじゃあ始まり始まり」







(暗転)







「このゲーム、『MAGICA』は
 私たちが、潜入した島で行った任務の
 13日間の経緯をなぞったお話になってます」

「13日って、結構短いよね」

「13日か…。
 言われてみればそうなんだけど、体感ではもっと長かった気がするよ」

「そりゃあそうでしょう。
 だってほら、大半が似たような風景の通路を歩く展開だっ」





(すかん、という乾いた音が響く)





「えー、話をつつがなく進行させる上でルールを決めたいと思います。
 多少の脱線は認めますが、解説役である私の判断で、非常に問題のある発言や
 生々しい発言をした人は、その場で殴ります」

「それは…最初に言うべきなんじゃないかな…。
 すごい音だったよ、今の」

「慣れてないからということで…。
 ほら、組織のルールをしっかり守ることってさ、痛みをともなうものだから」

「…痛いのは、私だけどね。頭とか」

「見てたこっちも痛くなったよ。
 リリィにはちょっと悪いけど…ルールは分かった。続けよう」

「そうしよう。
 さて、このゲームはRPG。ロールプレイングゲームということで」

「最初は、私とミルのふたりだけのチームなんだけど、
 ここにいるアーウィンも含めて、お話の進行で増えていく仲間と一緒に
 目的達成をめざして、先にすすんでいくことになります!」

「いいね!100点だよ、その紹介」

「ん…うぇっへっへん」



「(…胸をはりながら笑うと、あんなことになるんだな)」



「やっぱりね、リリィは殴られて成長していく子だよね」

「うぇっへっ…へ、え?」

「ロールプレイングゲームというものは、このリリィのように殴られて成長していくゲームです」

「うおおおい!」

「まあ…外れては、いないね」

「大体そんなもんだよね。
 で、殴られすぎると死んでしまうから適度に治療とかして、また進んで。
 殴ったり殴られたりしてるうちに、殴る回数のほうが多くなっていく感じ」

「…ミルの話が一番なまなましいと思うんだけど!」

「(確かに…)」

「さっきから何度か、『進む』という表現をしてるけど…
 このゲームは、潜入という、私たちの任務をなぞっているため
 決められた区画をチームで進んでいくタイプのRPGになってます」

「全力で流してるよね…。まあいいや。
 …RPGツクールDSはフィールド、つまり地図単位の視点で
 移動する機能ももたせられるけれど」

「お話として、次はあっち今度はこっち…って形にはならないからさ、省いたんだよね。
 町としては、私たちが本拠地にしてる『全自動図書館』がある
 『歯車町』という町がひとつになってます」

「フィールドのあるゲームだと、次の町を探すっていう楽しみもあるし
 進んだ先で新しいアイテムが売られてる!っていう楽しみもあるんだけど…」

「新しい町がないかわりに、歯車町では
 元のお店に新商品が入荷したり、新しいお店がオープンしたりするんだ」

「お約束っていうのかな。
 大体は、お話上で次の区画に入った頃にそうなることが多いね」

「ついでに、新しい区画に入るとその入り口までワープできるようになるんだよ。
 図書館の中に『転送装置』ってのがあってさ、そこから行けるところがふえていく」

「転送装置から転送装置までは一瞬でワープできるから
 それを、新しい区画についたら入り口に設置してゆくのです!」

「ルート確保も任務のうち…だったっけ」

「そういうことだね。
 このへんで、ちょっとまとめてみようか。リリィ、お願い」

「はいはい!
 基本的に、目的地はひとつだけ。そこまでたどりつくために
 町でチームの編成とか、お薬とか武器防具の補充をして」

「うんうん」

「道中、殴ったり殴られたりをくりかえして。やばくなったら戻ったりして…。
 最終的に先に進むルートを探し当てて、次の区画に入ったら転送装置を設置する。
 おおむね、このくりかえしでゲームがすすみます」





(しばしの沈黙)





「うん…まとまってるんじゃないかな。
 僕はそう思うけど、ミルは?」

「『殴ったり殴られたり』の部分が少し生々しいけど
 まあ、良くできましたかな」

「それ最初にミルが言ったんじゃないの!」

「怒らない怒らない。短期は損気。
 ほーらリリィ、ごほうびごほうび」





(ミルがリリィに何かを手渡す)





「…なにこれ?」

「ビスケット」

「………」

「(さすがにそれは…)」

「他に何も食べるものがない時に食べようと思ってとっといたんだけど君にあげよう。
 全部食べていいよ」

「わーいビスケットだーってうれしくない!うれしくないよ!
 しかもこれ、保存食のまともに味ついてないやつだよ!(ばりばりばりばり)」

「(食べてる!!)」

「なんなのもう!(ばりばりばりばり)」



「さって。それじゃあ区切りもいいしさ、今日はこのへんにしようか」

「そうだね。
 リリィ、口が完全に塞がってるみたいだし…僕が挨拶しようか」

「いいんじゃない?お願いするよ」

「うん。…ここまで読んでくださって、ありがとうございます。
 今回は大まかなゲームの流れを紹介しましたが
 次回はもう少し、細かいところについて話していきたいと思います」

「おうけい。
 それじゃあ、今日は解散!おつかれさまでした」

「お疲れ様でした」



「(ばりばりばりばり…)」







(続きます)