MAGICA・キャラクターによるゲーム紹介
戦闘編A
2010.8.8



(いつもどおりに、机の周りに3個の丸椅子。)



「はい、こんにちはー!」

「うっす」

「こんにちは〜」



「そろそろ、定番と化してきてますが…。
 ゲーム解説、進行役の主人公ことミルです」

「ナナです。今日も、よろしくお願いしますね」

「アーストだ。今日も、前回に引き続いてミルへの出題形式で話を進めるからな」

「間違いがあった場合は、それなりの扱いね。…ふふ」

「事前に、そのことが分かってますからね。
 今日は前回みたいなヘマはやらかしませんよ」

「…ナナ。今の言葉はきちんとメモしておいてくれ」

「はいはい」

「…いちいち、癇に障るなぁ」





(暗転)





「さて…。今回はいよいよ、戦闘の内容についてです」

「そういうことだ。
 前回でも軽く話したが、このゲームはランダムエンカウントで戦闘が発生する」

「一部のエリアを除いて、大抵の場所で前触れなく敵と遭遇するのよ」

「戦闘開始ーってやつですね」

「そこで、さっそく質問だ、ミル。
 敵と遭遇した時に、俺達が取れる行動のすべてあげてみろ」

「ま、これは当然出ると思ってましたよ。
 『攻撃』『防御』『特技』『アイテム』の4種類です!」



「………」

「………」



「…え?」



「おおっとお〜〜!!」

「残念んん〜〜!!」



「え…ええええ!!?」





(アーストとナナ、立ち上がって拍手)





「ちょっと待ってくださいよ!
 いいがかりはやめてください!4種類で、あってるじゃないですか!」

「あほう、よく思い出せ。俺はなんてった?」

「戦闘で取れる行動って言ったじゃないですか!さっきの4種類以外、何があるんです!」

「ミル」

「なんですか!」

「アーストは、『敵と遭遇した時に』取れる行動を聞いたのよ」

「は…!?」

「遭遇した時は、まず『戦う』か『逃げる』かを選ぶだろうが」



「………」



「皆さん、これは大変悪い例ですー!わかりましたかー!?」

「はーい!」

「そうですねー、彼女のあたまの中には『逃げる』という選択肢が存在しないんですねー!
 これは指揮官として致命的でーす!センスがゼロでーす!
 皆さんは決して、こういうふうにはなってはいけませーん!」

「わかりましたー!」



「(卑怯くさ…)」





(アーストとナナ、にやにやしながら座る)





「ま、そういうわけだ。
 センスがゼロのミルさんにも、分かるように言えば
 戦闘は避けられる場合もあるってことだーな」

「必ず逃げられるわけじゃないし
 そもそも、逃げ道がなくて絶対逃げられない場合もあるんだけどね」

「そういうときのためにも、常に準備は怠るなってとこですかね。
 …誘導されて、罠に引っかかる場合もありますしね」

「まぁ、そんなとこだな。
 冗談めかして言ってはいるが、注意深いのは、決して悪いことじゃあない。
 戦闘が予想されるってんなら、なおさらだ。憶えておけよ」

「ん…はい。…了解です」

「うんうん。
 それじゃ続けて、戦闘について話していきましょうか」

「そうしますかね。
 …戦闘が始まった場合、俺たちが取れる行動はさっきミルがあげた4種類だ。
 ミル、ひとつずつ説明をしてみてくれ」



「はい。…まずは、『攻撃』。
 これは、持っている武器で攻撃を行います。対象は敵1体。
 その人の攻撃力の数値と、対象の防御力の影響をうけます」



「問題なし。…俺やミルなんかは、これを選ぶことが多くなるだろうな」

「いわゆる、通常攻撃ね」



「次は『防御』。これを選ぶと、他の行動はできませんが
 そのターンにおいて、受けるダメージを半減させることができます」



「その通りだ。
 半減だからな。うまく使えば、効果はでかい」



「そして、次は『特技』。これは、各個人が持ってる技を使うための行動です」



「よし。
 で、ミル、そこでちょっとストップだ。
 技についての解説も、ここでやっておこう」



「わかりました。
 えっと、技には種類がいろいろありますが…大別すると2つに分類できます」

「うん。
 …『技系』と『放出系』の2つになるかしら」

「その2つですね」

「厳密に区切られてるわけじゃあ、ないけどな。
 内部の説明文でその2つに分けられてるから、それに乗っかって解説するぜ」



「こだわり派!」

「こだわり派!」



「よせっての。
 …ま、単純に言えばだ。消費する数値が違う。それだけの区別だな」



「…あんまり」

「こだわってないですね」



「だからよせって言っただろが。…まあいいや。
 俺が続けて説明するぞ」

「はーい」

「お願いするわ」

「前回でも軽く説明したが、戦闘中に増減する数値はおもに『HP』と『MP』だ。
 技系の特技はHPを消費して発動するし、放出系はMPを消費する」

「私は、技系の特技を多く憶えます」

「逆に私は、憶える特技が放出系のみね。…法陣士だから」

「俺は、どっちもそれなりだ。
 放出系の場合は、使いまくってMPが無くなっても、使えなくなるだけなんだが」

「…そこまで連発するのも、考えものだけどね」

「技系の場合は、HPを消費する。
 前回も話した通り、HPってものはゼロになると死んだような雰囲気になって、動けなくなっちまう。
 技系の特技を使う場合は、その辺りにも気を配ったほうがいいな」



「…それは、分かってるんですけど。
 威力の高い技があるから、ついつい使っちゃうんですよねえ」

「大技をぶっぱなして、仕留めきれずに
 反撃を食らってやられるってえのが、おそらく戦闘では一番間抜けなやられ方だ。
 ミルの代名詞とも、言えるよな」

「…って、いきなり何言ってんですか!」

「まあまあ、ミル。
 そういうときのために、私の法陣技があるのよ」

「おっ、おっ…。さすがナナさん」

「ちょっとくらいの傷なら、私が一瞬で治してみせるわ」



「…まあ、そうなんだけどよ」



「私が大技を決めて!」

「私が回復するっ」

「コンビプレイ!」

「美しきコンビプレイっ」





(ミルとナナ、にぎりこぶしを合わせる)


(アースト、溜息)





「…あんまり、ナナにばっか負担をかけんなよな」



「きづかい派!」

「きづかい派!」



「うるせい!!」





(ミルとナナ、笑いながら、えりもとを正す)





「…前回あんだけ騒ぎやがったくせに、自分ではしゃいでんなよな。さっさと、先に進めるぞ!」

「はーい」

「はーい…っと。
 次は、最後のひとつ。『アイテム』ですね」

「そうね」

「これはそのまま、戦闘中に使える道具を使うための行動です」

「大半が、薬なんかの、回復アイテムだけどな。
 一部の技と、同じような効果のものもある」

「いざというときのために、薬はしっかり持っていきたいですね」

「探索は、ほぼ歩きだからね。
 帰りのこともしっかり考えておくのが基本だわ」

「そんなところだな。…それじゃ、次に戦闘に関わる要素。
 やっぱり、装備品だな」

「ここまででは、ちょっとしか話してないですからね」

「次は難しいぜ、ミル。装備についてのルールをまとめてみろ。
 …できるか?」

「…そこは、ちゃんと勉強してますよ」

「おお〜」

「よっし。やってみな」



「装備品には、武器、防具、そしてアクセサリがあります。
 武器と防具は1種類ずつ、アクセサリについては、2つまで同時に装備が可能です」

「ふむ。…ここまでは、良しだな」

「アクセサリにはかなりの種類がありますが
 同系統のものを2つ同時に装備することは不可能です」

「うん、うん」

「グローブや、靴なんかもアクセサリに含まれますが…重ね着は、できないってことです。
 それ以外は、キャラクターごとの専用装備などでなければ
 自由に着けかえることができます」

「オーケー。ここは、完璧だ」

「えらいえらい」

「…ふふふ。続けます。
 そういうルールがあるわけなので、装備品でその人の特徴が大幅に変わるようなことはないですが。
 やっぱり、効果の高い組み合わせはあるもので、それを考えるのも重要ですね」

「俺なんかは、もともと足が速めだからな。
 ほとんどの場合、先手が取れるから、靴で補強する意味は薄かったりする」

「ターン制だからね」

「ついでにだが、敵の特殊攻撃は防御力で軽減できなかったりもする。
 相手の攻撃が痛いからって、防御力を上げるアクセサリをつけても
 全く意味がなかったりすることもあるから、注意だな」

「そのへんをふまえても…。
 『装備品選びの時点で、戦いはすでに始まっている!』…ってことです」

「ち。…まったく、その通りだ」

「さすがに、逃げることをつい忘れるだけのことはあるわね〜」

「あー…。まあ、それは…。
 もういいじゃないですか」



「それはそれでいいが、ミル」

「なんですか?」

「俺の台詞を取るな。…まとめは俺の仕事だろうが」

「あははは。言うと思ったわ」





(暗転)





「…さてと。
 戦闘については、だいたいこんなところかしら?」

「こんなもんだろうな。
 戦闘そのものの流れについては、前回にも、ちょっとは話したしな」

「それじゃあ、戦闘編は、この辺りで終了ということで」

「おう」

「ありがとうございました!」

「ありがとうございました〜」



「次回からは、『舞台編』をお送りしたいと思います。
 物語の、背景などをちょっと詳しく話していきます」

「余裕があったら、ここでも話すつもりだったんだが。
 …警団についての話なんかは、まだほとんどやってないからな」

「メンバー的に、そこには触れてよかったかもね」

「ま、でも今日はここまでだな。それじゃあ、お疲れさん」

「そうね。お疲れ様でした」

「おつかれさまでしたー。
 おふたりとも、今日はありがとうございました」

「ん。あいよ」

「ミルも、おつかれさま」





(暗転)










(小屋の外。日が暮れかけて、辺りは薄暗い)


(アーストとナナが、小屋の壁にもたれて、話をしている





「…さて」

「なんだ?」

「出題形式でやってみてだけど。アーストとしては、ミルの評価はどう?」

「別に、あんなもんでいいんじゃないか。
 とくに文句つけるようなところは、なかったぞ」

「あらら。意外と高評価なのね。
 正解率はあんまり高くなかったと思うけど?」

「あいつは、あれでいいんだ」

「というと?」

「あの3人の中なら、あいつがリーダーになる。
 それなら、重要じゃない情報は他に任せるくらいの性格のほうが、向いてるだろ」

「…間違ってたところは、確かに細かいところだったわね」

「前よりは決断力がついてるのも、今回の件で分かったからな。
 これまで通り、たまにサポートしてやるくらいで、いいんじゃないのか」





(ナナ、アーストに顔を近付ける)





「ふ〜ん…」

「…なんだよ」

「いやあやっぱり」

「あん?」

「いいお兄ちゃんだと、思って」



「………」



「あ、怒った?」

「怒ってねえ。…だったら、お前はお姉ちゃんだろ」

「あははは。まあねー」





(続きます)